中学校生活も後半にさしかかると、多くの人が本格的に高校選びを意識し始めます。
その中でも、私立高校 選び方は学校ごとの特色が豊かで、学習内容や学校行事、進学実績、雰囲気などに大きな違いがあります。だからこそ、「どの学校が自分に合うのか」をじっくり考えることが大切です。
ここでは、私立高校を選ぶ際に参考になる7つのステップをご紹介します。
① オープンスクールに参加して、学校の雰囲気を感じる
まずおすすめしたいのは、オープンスクールへの参加です。多くの私立高校では、夏休み前後にオープンスクールを開催しています。パンフレットやウェブサイトだけでは分からない「学校の空気感」を感じる絶好の機会です。
実際に校舎を歩いてみると、掲示物や生徒の挨拶、先生方の対応などから、その学校の雰囲気が伝わってきます。「明るい」「落ち着いている」「自主性を重んじる」など、自分に合いそうだと感じられるかどうかを、五感を使って確かめてみましょう。
できれば夏休みまでに一度参加しておくと、その後の受験計画を立てやすくなります。気になる学校が複数ある場合は、できるだけ多くのオープンスクールを見比べてみると、違いがより明確になります。
② 授業参観や授業体験で「学びのスタイル」を知る
次に大切なのは、実際の授業の雰囲気を知ることです。学校によって授業の進め方や生徒の姿勢、先生の指導方針にはかなりの違いがあります。
授業参観が可能であれば、どんな雰囲気の中で授業が行われているのかを見てみましょう。生徒たちが積極的に発言しているのか、先生との距離が近いのか、静かに集中しているのか——そうした様子から、自分に合う学びのスタイルを見極めることができます。
また、学校によっては体験授業を実施しているところもあります。英語のスピーキング、理科の実験、プログラミング体験など、特色ある内容が多いので、楽しみながらその学校の教育方針を体感できます。「勉強が楽しい」と思える学校に出会えるかもしれません。
③ 部活動体験に参加して、学校生活をイメージする
高校生活の大きな魅力のひとつが、部活動です。勉強だけでなく、部活動を通じて仲間と切磋琢磨し、自分を成長させる時間もとても貴重です。
気になる学校では、ぜひ部活体験会に参加してみましょう。初心者でも歓迎してくれる部や、全国大会を目指す本格的な部など、学校ごとに方針はさまざまです。先輩たちの雰囲気や顧問の先生の熱心さなどを直接感じることで、「この学校で頑張ってみたい」と思えるかどうかを確かめられます。
また、文化系の部活動も忘れてはいけません。吹奏楽部、美術部、演劇部、ボランティア部など、それぞれが独自の活動をしています。放課後の時間をどのように過ごしたいか、自分の理想の高校生活をイメージしながら選ぶと良いでしょう。
④ 個別相談を利用して、合格の可能性を具体的に知る
オープンスクールの際には、個別相談コーナーを設けている学校が多くあります。ここでは、先生方に直接、成績や希望コースについて相談することができます。
その際には、最新の成績表や模試の結果を持参するのがおすすめです。先生がそれを見ながら、「この成績ならAコースが目指せますね」「あと○点上げれば推薦が取れるかもしれません」と、より現実的なアドバイスをしてくれます。
個別相談では、合格の可能性だけでなく、「入学後にどんなサポートがあるのか」「学費の支援制度」「学校生活で大変なこと」なども聞いてみましょう。パンフレットでは分からないリアルな情報を得ることで、安心して志望校を決めることができます。
⑤ 通学ルートを複数検討して、毎日の負担を考える
高校生活は3年間続きます。毎日の通学がどれくらい負担になるかを考えることも大切です。
「家から通いやすい距離か」「乗り換えは何回必要か」「雨の日や冬場でも無理なく通えるか」など、実際に通学ルートを確認してみましょう。時間帯によっては電車が混雑する場合もありますので、平日の朝に試しに行ってみるのもおすすめです。
また、同じ学校でもルートを変えれば通学時間が短縮できる場合があります。いくつかの経路を調べて、最もストレスの少ない方法を見つけておくと安心です。
⑥ 進路実績や指定校推薦の制度を確認する
高校選びでは、「入学後の進路」も見逃せないポイントです。
学校によって、大学進学を重視しているところ、専門学校や就職に力を入れているところなど、方向性が異なります。特に大学進学を考えている人は、指定校推薦や内部進学制度がどのように整っているかを調べてみましょう。
指定校推薦とは、学校が大学から推薦枠をもらい、一定の成績や条件を満たした生徒が優先的に推薦される制度です。どの大学にどのくらいの枠があるのかは、学校によって大きく異なります。早めに情報を集めておくことで、将来の進路設計にも役立ちます。
また、過去数年の進学実績をチェックすると、その学校の学習指導力や進路サポート体制も見えてきます。卒業生の進路を参考に、自分の将来像と照らし合わせてみましょう。
⑦ 独自のカリキュラムや教育方針を理解する
最後に注目したいのが、その学校ならではの教育方針やカリキュラムです。
近年、多くの私立高校では、「探究学習」「国際交流」「ICT教育」「キャリア教育」など、独自のプログラムを展開しています。例えば、英語の授業をオールイングリッシュで行うコース、大学進学特化型の特進クラス、社会問題をテーマにした探究プロジェクトなど、個性豊かな学びが広がっています。
学校説明会では、そうしたプログラムの具体的な内容や、卒業後にどんな力が身につくのかを丁寧に聞いてみましょう。「自分が3年間学ぶ意味」を感じられるかどうかが、学校選びの大きな鍵になります。
おわりに:自分らしく学べる場所を見つけるために
私立高校には、それぞれに理念や教育方針があり、同じ「高校」といってもまったく異なる個性を持っています。
だからこそ、パンフレットの情報だけで決めるのではなく、実際に足を運び、見て、感じて、先生方と直接話をすることが何より大切です。
近年は少子化の影響で、生徒数が全体的に減少傾向にあります。よほどの難関校でない限り、オープンスクールや個別相談の場で、ある程度の入学可能性について具体的に相談できるようになっています。
私立高校は、中学校を通じて学校と連絡を取り合う機会も多く、事前に「どの程度の成績なら合格が見込めるか」を絞り込める体制が整っています。こうした制度を上手に活用することで、安心して志望校を選ぶことができます。
ただし、そのためにはやはり内申点を大切にすることが欠かせません。私立高校の多くは、学力試験だけでなく、日頃の努力や学校生活の姿勢を重視しています。テストの点数だけでなく、「日々の授業態度」「提出物」「学級活動への参加」などが評価されるのです。
つまり、高校選びの前に、「どんな自分でありたいか」を見つめ直すことが大切だということです。普段からコツコツ取り組み、先生や友達から信頼されるような「日頃の自分」をつくっておくことが、結果として高校入試にもつながっていきます。
高校選びは、単に偏差値や通学距離で決めるものではありません。
自分の個性を伸ばせる環境、学びたいと思える雰囲気、人とのつながりを感じられる場所——そのすべてが、これからの3年間を充実させるための大切な要素です。
焦らず、比べながら、自分の心が「ここで学びたい」と感じる学校を選んでください。
きっと、その先には、自分らしい未来へとつながる新しい出会いが待っています。


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