実録・三者懇談会35連発!母たちのファッション劇場と通知表カオス

中学校

うちの学校では、年に3回成績を出している。

7月と12月と3月である。

3月が成績決定であるが、7月と12月には中間成績を提示して、

それをもとに、三者懇談会を行なっている。

今日は、教師の目を通して見た三者懇談会について語ります。

三者懇談会は「保護者ファッションショー」から始まる


この、三者懇談会がもう。

なんかもう、悲喜こもごもの35話の単発ドラマみたような気分になるのである。

まず、お母様のファッションがなかなか興味深い。

ふんわりブラウスに控えめなスカートで来られる方もいれば、

Tシャツにジーンズくらいの軽装の方もいる。

5人くらい連続で白シャツに黒いワイドパンツの人が続いて

「流行ってんのかな…?」って流行を意識することもあれば

手入れの行き届かないピンクのボサボサヘア

数えきれないほどの耳ピと鼻ピのママもいる。

制服ママも案外多く、

銀行、介護、スーパー系は、忙しい仕事の合間に制服で来てくださる方も。

今年の極め付けは、

濃い紫のサマーセーターに

白地に大きめの茄子柄の木綿のジャンスカ(多分手作り?)を着たママ。

子供もエキセントリックで、

いつも頭に3段重ねくらいのウ○コみたいなどでかいお団子を載せている。

母娘して

成績が全く振るわないのを

けたたましく笑い飛ばしていて

なんか狂気を感じた。(まだ、中1だからさ…笑い飛ばすには2年早いよ…)

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実録!三者懇談会で繰り広げられるやり取り


さて、ありがちな三者懇談会の様子を見ていただこう。

まずは一通りお知らせ系のプリントを渡し、

夏休みの課題一覧を渡す。(生徒だけでは到底仕上がらないため。)

次に、生徒自身がつけた「私の生活通信簿」を渡すのだが、

これが実に生徒の実態を如実に反映している。

心ある多くの教員は、事前にプリントに目を通し

赤線を引いたり一言添えたり、丸をつけたりハンコ押したりして

きちんとみました感を演出するもんなのだが、

わしはそんなもの1ミリもみない。

え、だって面倒じゃん?

何度も懇談をこなしていれば、

ママがみている時に、プリントを逆さから読んでも、

大抵なんとかなるから、見ない。

プリントには、いろんな項目が準備されているのだが、

わしが中1の懇談でここだけチェックする、という項目が

友達の悪口や陰口を言わず、誰とでも仲良くすることができた

ここだよ。

これがさ、もしもきちんと自己評価できて5段階評価の「1」であれば

「〇〇君、きちんと自分のこと振り返れたね。ほら、例の△△のことだよね?」と、

保護者連絡するまでもないが、絶対に親に言いつけたいこいつの悪行

今こそ暴いてやるとばかりにぶっ込む。

もしもきちんと評価できずに5がついてたりすると

「あれ、〇〇君、どうしたのかな?ほら、例の△△のこと、先生と一緒に反省したじゃん?」

と、親にいいカッコばっかしたがる奴は、家でしこたま怒られてしまえとばかりに

結局わしによってバラされてしまう。

この場合、どちらがより親の心証がいいかといえば

もちろん前者な訳で、

わしだって、おのが悪行を『私の生活通信簿』にちゃんと振り返れているやつのことは

少なくとも家で叱られることがないくらいには

フォローしてやるのだ。

後者のように、

自分がやったことを忘れたり、隠蔽しようとした暁には

無邪気なフリしたわしによって

とんでもない目に遭うということは、

まあ、中学校入って1回目の懇談では、生徒にはわからんわな。

通知表悲喜こもごも

さて、ようやく通知表を渡すけれど、保護者も生徒も固唾を飲んで見守ってるの何?

どっちにしても、この時期の通知表は、

あくまで暫定ですよって言ってあるのに、

目の前ではあらゆるパターンの地獄絵図が繰り広げられる。

パターン1:出来の良い生徒の場合

主に母の視線はテストの数字よりも達成率(ここまでの全ての評価物の割合を100とした時の、獲得パーセンテージ)に注がれる。

母が通知表の見方を熟知している場合が多く、

定期テストの点数よりも(大概、定期テストもよくできているのだが)

何が評価の対象になったかをめざとく見ているのでなかなか侮れない。

「あら、先生、スピーチの割合がずいぶん高いですけど、うちの子、何点くらい取れました?」

とか、めちゃくちゃ本質的でこっちができれば触れてほしくないことに真正面から切り込んでくるので始末におえぬ。

スピーチの評価は、目の前で繰り広げられる一瞬の出来事を

5観点くらいで評価するので、

正直いうと、この点数のエビデンスは?

とか言われると変な汗出ちゃう。

この手の母親は、今のうちから心の中で要注意人物に指定しておくが、

大抵の場合、子供の出来が良いため、成績のことで暴れることはないと言って良い。

パターン2:普通の生徒の場合

親子とも、目を皿のようにして、テストの素点を見ている

特に、母子共に「平均点」に異常に固執している姿は、痛々しい。

教科担にもよるだろうが、例えばわしは、クラスの平均点を発表しない。

なぜなら、必要がないからである。

中学校は絶対評価なので、

自分がどこまで達成できたかがわかればいいのであって

他の誰かが何点取れたのかは基本的に何の関係もないデータである。

そもそも、定期テストは授業の確認テストであり、

授業した本人が作成するものなので

本来なら、テストの難易度によって平均点が上下することは恥ずかしいことなのである。

だから、平均点を発表する教科担って、アホやなってわしは思ってる。

生徒に「国語の平均点いくらですか?」って聞かれたら

「65点になるように作ってます」って答えるけど、

大抵プラマイ3点くらい位にはおさまってるもんです。

話それちゃたけど、そういう意味で、

定期テストの平均点にこだわるのは

非常に愚行なのだが

まあ、普通の生徒とその母親は

平均点を見て、上だの下だの、騒いでる

こういう時には、

「お母さん、平均点よりもこの、達成率に注目しましょう。定期テストの割合って、総得点の半分もないんだから、テストの点数に一喜一憂しても無駄ですよ。」

そういってあげるのだが、

イマイチ、理解ができないみたいで、

どうしてもテストの点数にだけ着目しちゃうの、何でなんだろうなあ。

ふと見ると、生徒の数学の点数が壊滅的で、

お母さんが

「私も数学全くできなかったから笑」

とかいうと、

「そっか…ママ、割合の意味がわかってないのかな…」って

妙に清々しく納得してしまう。

パターン3:全然できない生徒の場合

親。テスト、無視。

子。テスト、無視。

親。黙る。

子。黙る。

わし「あの〜、今回はちょっと初めてのテスt……」

親「ちょっとあんた!提出物全部出したって言ったじゃん!!」(罵声)

子「出したってば!!」(震)

親「嘘つけ!!ここみろや!!にいちゃんも出してなかったけど、あんたも出してないじゃん!!

子「出したってば!!…遅れたけど、出したってば。」(小声)

親「先生、この子、ちゃんと提出物、やってます????

わし「いや、その、まあ、遅れても出そうとはおm…」

親「あんた!!こんなことじゃ、高校行かれんやんけ!!どうするつもり??

わし「お母さん、今回初めてのテスt…」

親「あんた!!高校行かれんやったら、働いてもらうからね!!覚悟しな!!

わし「お母s…」

親。「あんた!!何とか言ったらどう???

終始、わしの言葉は届かない。

お母さんの狂乱劇場をかぶりつきで観覧させられながら、

心の閻魔帳にママ、要注意。と書き込んだ。

おわりに

さて、いかがだっただろうか。

これを、2日間にわたって、延々と繰り返す。

35人いたら、35人分のヒューマンドラマがあって、

そのドラマには壮絶なエピソードや盛り上がりが必ずあって

そして、誰もがめちゃくちゃ真剣なのである。

親子の人生に関わらせていただけるということは

とことん光栄の極みであり、かつ、

空恐ろしいことだなって思う。

自分にとっては仕事の一部でも

生徒にとっては人生の1ページであって、

その思い出の片隅に自分がいると思うと

あだやおろそかにはできねえなって思いつつ、

今日もブログでコトの顛末をチクっているのであった。 (完)

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